シャンパン・カクテル用のクープグラスとは?由来や意味について徹底解説

現在はシャンパンを飲むときには縦に細長いフルートグラスが主流ですが、少し前までは、シャンパンを飲むときにクープグラス(グラスのボウル部の口が広く浅いグラス)がよく使われていました。
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- 何故、このように変化してきたのか?
- クープグラスとはどんなグラス?
- クープグラスはもう古い?
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という疑問を徹底的に解説いたします。
クープグラスとは?
クープとはフランス語で、「広口、浅底、脚付のグラス」を指します。
また、別の呼び方で「ソーサーシャンパングラス」と呼ばれることもあります。
結婚式やパーティー、映画のワンシーンなどで目にしたことがあるかと思います。
クープグラスは、味を分析するというよりも、グラスにまとった香りを感じながらシャンパン本来の味を楽しめるグラス。
もともとシャンパン用に開発されたものですが、味の変化により、シャンパンを飲む人の頼りになるグラスとしてフルートグラスに取って代わられました。
クープグラスの由来
出典:ウィキペディア
クープグラスのボウル部分の丸みは、マリーアントワネットの乳房の型を取って作ったと言う由来がありますが、真相はどうなのでしょうか。
クープグラスはマリーアントワネットの乳房を型どったものというのは伝説?!
私自身も、非常に興味深いテーマだったのですがどうやら伝説に過ぎなそうです。
というのも、
上記写真は、左がルイ16世の妻マリーアントワネット、右がルイ15世の愛人だったと言われているマダムポンパドゥールです。
一説では、クープグラスはマダムポンパドゥールの胸を型取ったのが由来ともいわれています。
しかし、
1663年にスパークリングワインやシャンパンを飲むためにイングランドで作られた。クープは18世紀にフランスに持ち込まれてから1970年代に至るまでフランスでもてはやされていた。
ウィキペディアより引用
1663年というと17世紀となり、マリーアントワネットやマダムポンパドールの18世紀よりも1世紀前からクープグラスは使用されていたことになります。
そのため、クープグラスは胸を型どったことが由来ではないということでしょう。
ですが、マリーアントワネットもマダムポンパドールも魅力的な女性だったことには違いなさそうです。
シャンパンやカクテルをクープグラスで飲む意味
現代は、シャンパングラスというとフルート(縦に長いグラス)を思い浮かべる方も多いと思いますが、1980年代まではクープグラスが流行していました。
クープグラスは女性を美しく、優雅に見せるグラス
「首まで含め顔です」という意識の高いフランス人女性。
首のケアも人一倍気を遣っているのが特徴です。
フランスの貴婦人は首のしわが見えるの嫌うため、クープグラスは手元の動きのみで中身を飲み干せることから多くのパーティーシーンで使われてきています。
クープグラスは、傾けてしまうとこぼれやすいといった点から、ゆっくりとグラスを持ちあげ、こぼす事の無いよう意識しているからこそ、「美しく優雅に」見えます。
かたや、シャンパンクープはグイっと顎を上に向けないと中身を飲み干すことができず、「美しく、優雅に」といった点からは劣ってしまいます。
クープグラスは、シャンパンの泡が早く抜けるといった心配をされる方もいらっしゃいますが、人前でのゲップを避けられるといったメリットもあります。
特に、テーブルマナーの厳しいヨーロッパでは、「人前でゲップをしてしまうことは失礼」という考えを持っている方も多いため、クープが愛されたのはそのような時代背景もあるのでしょう。
クープグラスはカクテルにも使用される
クープグラスはカクテルにも使用されていますが、実はクープグラス=カクテルグラスではありません。
グラスの容量がに違いがあります。
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- クープグラスの容量 120ml前後
- シャンパングラスの容量 120ml前後
- カクテルグラスの容量 75~90mlが標準
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カクテルグラスは、主に
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- フラッペ(クラッシュドアイスをグラスに詰めリキュール酒をかけたもの)
- フローズン・スタイルのカクテルやソフト・ドリンク(そのものが凍ったもの)
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に使用されるため、ステム(持ち手部分)の長いものが熱が伝わりにくく溶けにくいため使用されています。
こういった点からは、クープグラスでも十分使用できるためカクテルグラスとしても使用されていると考えられます。
クープグラスとフルートグラスの違い
現在も、クープグラス、フルートグラスともに販売されています。
どのようなシーンでどちらのグラスを使うと、シャンパンがよりおいしくいただけるのか?
グラスの違いを見ていきましょう。
クープグラス
クープグラスは、結婚式やパーティーの乾杯に使用されることが多く、泡切れが良いため、サービス担当者が1回でシャンパーニュをグラスに注ぐことができ、素早くサービスができます。
フルートグラスは、泡切れを待ちながら再度注ぐため素早くサービスするために、前もって注いだものを置いておく場合が多いのが特徴です。
クープグラスは、液面が大きいためシャンパンの香りが広がり、優しい香りに包まれながらシャンパンをいただくことができます。
甘口のヴィンテージシャンパン、デザートワインにはクープが向いています。
フルートグラス
縦長の形が特徴的なフルートグラスは、泡が立ち上がる姿が美しく、目でも楽しめるグラスです。
グラスの底面にわざと傷を作り、泡が立ちやすくしているグラスもあるほど、泡の立ち上がりを楽しむことに重点を置いています。
また、フルートグラスは液面が小さく炭酸が抜けにくく、香りを集めるため最後までシュワシュワとした感じと香りを堪能できます。
すっきりとした味のシャンパンや、スパークリングワインにも向いています。
バカラのクープグラスおすすめ3選
様々なグラスがある中でも、クープグラスを1脚持っていると非常に便利です。
シャンパン以外にも、デザートカップとして利用するのも素敵ですね。
ここではクープグラスの中でもおすすめの商品を厳選して紹介していきます。
ナルシス【水仙の意味を持つワイングラス】
出典:バカラ
ナルシスとは「水仙」。
アシンメトリーのデザインが印象的で、バカラならではの美しいカットが堪能できる作品となっています。
アルクール
出典:バカラ
卓越した技術と美しさの代表と言っても過言ではないアルクール。
1825年アルクール侯爵の注文で「アルクール」シリーズの原型が登場しました。
マッセナ
出典:バカラ
1980年に発表されたマッセナは、瞬く間に人気となりました。
洗練された光の遊びを備えたエレガントなシルエットが、性別を問わず愛されるのにもうなずける作品です。
まとめ:クープグラスでシャンパンやカクテルを楽しもう
シャンパンの香りを楽しみながら味わいたい場合はクープグラス
シャンパンの気泡を楽しみたいのであればシャンパンフルート 目的によって使い分けるのがベストではありますが、見た目を楽しむ(雰囲気を楽しむ)ことができるのが、シャンパンフルートやシャンパンクープの魅力だったりもします。