エミールガレの生涯から作品の特徴とは?!どこよりも分かりやすく徹底網羅!!

アールヌーボーの巨匠と呼ばれているエミールガレ。
ジャポニズムなどの様々な技法を取り入れ脚光を浴びた彼ですが、一体どんな人物なのでしょうか。
ここでは、
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- エミールガレの生涯
- エミールガレの作品
- エミールガレの作品が見れる美術館
まで、幅広く紹介していきます。
エミールガレの生涯とは?
1904年9月、ガレは白血病になり58歳という若さでこの世を去りました。
ここではエミールガレの人物像や生涯について掘り下げていきます。
ガレがアールヌーボーの巨匠と呼ばれるようになるまでには、一体何があったのでしょうか。
アールヌーボーを語る上で絶対に外せないエミールガレ
エミールガレは、アールヌーボーの代表と言える工芸家です。
アールヌーボーとは、19世紀末からヨーロッパの中で流行し始めた美術運動。意味は「新しい芸術」で、今までの伝統的な芸術とは違った、新しい発想で芸術を生み出そうというものです。ガレは、家具やガラス工芸など様々な分野でアールヌーボーの工芸作品を作り出しました。
数多くの作品の中でも特にガラス工芸には目を見張るものがあり、歴史上でも最高傑作と称されています。
オリジナル作品と工房作品があるのがガレ作品の特徴
エミールガレの作品はオリジナル作品と工房作品二つに分ける事が出来ます。ここでは、その二つを紹介していきます。
・オリジナル作品とは
二つに分けられたうちの一つは自分自身の腕で作った「オリジナル作品」です。ガレがマイゼンタールのブルグン・シュヴェーラー社で学んだガラス工芸の技術を生かして、彼自身によって作られた作品がこちらに分類されます。
・工房作品とは
一方、ガレ自身はアートディレクターとなり、父から譲り受けた工房のスタッフ達の分業で作り上げた作品は「工房作品」と呼ばれています。ガレの死後もこれらの技術は親族に引き継がれ、継続して工房作品は作られていきました。
ガレと「パリ万博」
エミールガレとパリ万博は、切っても切れない関係があります。フランス革命から100年目である1889年に行われたパリ万博で、ガレは注目を浴びました。ここから徐々に知名度を上げていき、ガレは「アールヌーボーの巨匠」と呼ばれるようにまでなります。
エミールガレの作品と特徴
エミールガレの作品の特徴を二つ挙げるとすれば「自然」と「ジャポニズム」と言えるでしょう。
「ナンシーで生まれた日本人」と呼ばれていたというガレ。
ここではガレの作品と特徴について解説していきます。
ガレの作品は様々な技法を取り入れていた
エミールガレは、ありとあらゆる美術様式を使って、多種多様な作品を作っていきました。ロココやシノワズリ、ジャポニズムなど多くの技法を利用出来るだけ利用し、作品を探求。家具や陶器での技術さえも活かして、作品を生み出していったのでした。
また、作品の多くは樹木や昆虫、植物や花などの自然をイメージしたもので、ガレの作品にはこれらが多く描かれています。この作風の背景にはガレの自然に対する愛や、自然の中に美は存在するという美意識から来るものでした。
エミールガレとジャポニズム
エミールガレの作品には様々な技法を取り入れた物が数多くありますが、特にジャポニズムに影響を受けた作品が、彼の特徴と言えます。有名なのは「鯉魚文花瓶」で、なんとこの作品は日本の浮世絵師である葛飾北斎の作品「魚濫観世音」の一部分を、形を変えずに引用したデザインでした。他にも当時の日本で使われていた扇子のデザインなども自身の作品に取り込むなどしています。このように、ガレはジャポニズムに大きな影響を受けていて、彼自身の作品の特徴にもなっています。
ガレの代表的な作品3つ
ここでは、ガレの代表作を紹介していきます。花瓶やランプ、彼の代名詞とも言えるガラス工芸の作品を見ていきましょう。
ガレの花瓶
エミールガレの作った花瓶の中での代表作は1898年「クロッカス文花器」や1900年「大麦文花器」、1884年「アラベスク文花器」などがあります。ガレの作品の特徴の一つである、花や麦といった植物をモチーフにした作品が多くあります。
ガレのランプ
エミールガレが作ったランプの中では、1904年「紫陽花文ランプ」や19紀末にアールヌーボーの花などの植物を華やかに彩った「花の様式」と言われる作品郡がとても有名です。
ガレのアプリカッションデキャンタ
ガレのデキャンタの代表作には「花と虫文様デカンタ」があります。カブトムシやスミレが描かれた茶色いガラス工芸です。ガレが作った作品の中でも、このデキャンタは初期のもので、エナメルガラスが使われています。
ガレの作品はガラス作品だけにとどまらなかった
主にガラス工芸で有名なエミールガレですが、陶器や家具などの作品も沢山あります。ここでは、ガレのファイアンスと家具の代表作を紹介します。
エミールガレのファイアンス
ファイアンスとは錫釉を使い、主に17世紀から18世紀に作られたフランスの色絵陶器の事を指します。
エミールガレのファイアンスには1889年「ファイアンス小花器」や「螺旋花文ポット」などがあります。
エミールガレのファイアンス作品のみを好んでコレクションされている方もいらっしゃいます。
エミールガレの家具
エミールガレが作った家具の中で代表的な作品の一つに時器で出来たテリーヌがあります。
テリーヌというのは土鍋の事で、これはラオン=レタップ製陶所にて作られました。
また、インテリアとして、犬や猫の形を象った陶芸作品などもあり、これらもとても有名です。
ガレの作品に会うことができるオススメ美術館3つ!!
エミールガレの作品が展示されている日本の美術館を三つほど紹介します。ガレの作品に興味がある方、直接見てみたいという方は是非行っては如何でしょうか?
北澤美術館
長野県諏訪市諏訪湖畔にある北澤美術館。ここでは、アールヌーボーの作品と現代日本絵画が多く取り扱われています。勿論ガレのガラス工芸も沢山展示されているので、ガレの作品の楽しみたい方にはもってこいです。
エミールガレ美術館
エミールガレ美術館は、栃木県の那須郡那須町にあります。この、美術館ではエミールガレの名がそのまま美術館に使われているだけあり、展示されている作品のほとんどが数多くのガレのものです。ガレを中心とした、アールヌーボーの作品の多くを楽しむ事が出来ます。
ポーラ美術館
神奈川県足柄下郡箱根町にあるポーラ美術館。山や木々といった自然に囲まれているこの美術館でも、ガレの作品に出合う事が出来ます。花瓶やガラス工芸などが特に多く、これらのガレの作品が見たいという方におすすめです。